26歳女子が痔になって病院いったはなし
くだらない話で恐縮なのだが、痔になって病院にいった。結構恥ずかしい経験談だったから人に話すことで忘れたいのだが、恥ずかしすぎてリアルな友達には話せないのでブログに書くことにする(このブログ、閲覧数も少ないし誰も見ないことを祈る。
出会い〜浪人時代編〜
私は大学浪人時代から痔を発症してた。当時受験生で、1日10時間ほど机に向かっていたことを考えると仕方のない話である。(なぜまわりの受験生が発症しなかったのか不思議でならない。みんな隠していたのだろうか)
症状としては、肛門の痒み、排便時の出血などなど。
辛いことは辛いのだが、やはり病院にいくのは恥ずかしい。
近くのかかりつけのおじいちゃん先生の前で痔の症状なんて説明できない!と病院に行くのを躊躇するのみならず、薬局でボラギノールを買うのも恥ずかしがってできなかった若き日のわたしは、仕方なく父にボラギノールを買ってもらうことで痒みと痛みを凌いでいた。(おじいちゃん先生への通院は恥ずかしいのに、父に頼むのは恥ずかしくないんかい!というツッコミはなしにしていただきたい)
しかし父が当時買っていたのは軟膏タイプ。↓こんなの。
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ボラギノールには申し訳ないがこんなちょっと切れちゃったの♡程度の軽症の痔向けのものではわたしの痔は治るはずがない。慰め程度である。
もうこれ使うくらいならワセリン塗った方がマシじゃないか!!と苦しんでいたのだが、大学生になり机に向かう時間が減ると、次第と症状は治まってきた。
再開〜社会人編〜
学生時代後期は、勉強時間の短さもあいまりすっかり痔のことも忘れていたのだが、社会人になり奴と再開を果たすことになる。
わたしの仕事内容は、残業続きのオフィスワーク。仕事に集中すると2ー3時間は立つことはない。
次第にまた浪人時代に苦しんだ痒み、痛みが襲ってくるようになった。
家を出て、両親とは別居するようになったので、もう父にボラギノールは頼めない。
遂に薬局にてボラギノールを買わなくてはいけない時が来たのか…!?と一瞬絶望しかけたものの、そこはネット社会の現代。Amazonでポチれば、簡単に、しかも中身がわからないように届けてくれる(エッチなDVD買うみたいな表現だ)。お陰でわたしはまたボラギノールのお世話になることになった。
しかし、症状は一向に緩和されない。痒いし、痛い。人前でお尻の穴を掻こうにも掻けないし、人前じゃなくてもお尻の穴というのは掻くのが難しいのでストレスが溜まる。(穴、というのは掻くのに適していないのだ)
加えて肛門の近くにイボっぽいものを発見。これってもしかしてイボ痔も発症してないか…と絶望する。
かといって、対処法もわからないのでとにかくイボにボラギノールを塗りたくる日々であった。
しかし、症状は全く緩和されず、痒みと痛みは募るばかり。夜も痒くて眠れないほどになり、毎日「痔 市販薬」でググり効果てきめんそうな市販薬を探したが、市販薬では限界があり医師の診療を受けることがどのページにも書かれている。やはり病院にいくしかないのか。
今まで恥ずかしさのあまり逃げてきた病院であるが、わたしも26歳、社会人3年目、もう浪人時代のあの頃とはメンタルの強さが違う。恥ずかしさを乗り越えるタフネスはついている。
病院に行くのは一瞬の恥、行かないのは一生の痒み、である。
こうしてわたしは痔の発症から6年、遂に医者に行くのを決意したのである。
いざ病院へ
とはいっても痔の場合、何科にかかればいいのか。
ネットで調べるに肛門科、というがあるらしい。
早速、「〇〇駅(最寄駅) 肛門科」でググる。内科や消化器科と一緒にやっている医院が近くにあるようだ。
問題は医者の性別だが、レビューを見るに男女どちらもいるらしい。わざわざ女のわたしを男性医師に通すことはしまいだろう、と一安心。会社をいつもより早く退社し、病院へ向かった。
初体験
平日の午後6時過ぎ、内科も一緒になっている病院とのこともあり、マスクをした風邪とみられる患者が多い。
肛門科って行くだけで恥ずかしいと思っていたけれど、これなら風邪患者に紛れられる、やっぱり恥ずかしいってのは考えすぎだったかあ、と一息ついたとき、受付に名前を呼ばれた。
「今日はどうされました?」
え、ここで聞くの?聞いちゃうの?まわり20人くらい待ってる患者さんいるよ?
焦りのあまり冷や汗が出てくる。
しかし、26年生きてきたわたしはこういう時の対処法もわかっている。焦ってはいけない。
変に恥ずかしがらず、間を空けず、小さいが聞き返されない程度には聞こえる大きさで言葉を発する。
「あーあのちょっと痔になっちゃいまして」
言えた。めちゃくちゃ恥ずかしいが言えた。しかし、恥ずかしい。とにかく恥ずかしい。心なしかまわりの患者が全員こちらを見ている気がする。
「今日は男の先生しかいないけど、いいですかねえ」
まじか。まじなのか。こんなにこちらが堂々と恥を忍んで言っているというのに、こんな仕打ちってあるのか。
しかし、ここで帰っても近くに他に医者はないし、痒みも痛みも治らない。仕事だってたくさん残ってたのに、わざわざ定時退社した意味もなくなる。
「あ、大丈夫です」
全然構わないといった口調で答える。だってわたし26歳。アラサーだからそんな小さなことは気にしないのだ。
しばらく待合室で待ったのち、処置室に通された。医師は50代の男性。父と同じくらいの年齢であろうか。恰幅のよく、落ち着いた医者っぽい感じの人だった。
「今日どうされました?」
受付で言ったはずなのに、話が通ってないようだ。なんで2回も言わなきゃいけないんだ。
しかしここは社会人らしくビジネスライクに症状を説明する。
「あー恥ずかしながら、痔になってしまいまして。痒くて夜も眠れません。」
「なるほど。いつごろからですか?」
「えーと、結構むかし…2年くらい前からでしょうか。」
思い切り嘘をついた。ほんとは6年前からなのに。6年も痔に苦しんだ女、と思われたくなくて、下手な(しかもあまり意味のない)嘘をついてしまった。
「わかりました、とりあえずみてみましょう、ベッドに寝て下着を下ろしてください」
おお、遂にきたか、この時が…緊張の一瞬である。
気まずさもあってか、医師とわたしが2人にならないよう、奥から看護師さんもくるようだ。
よかった、男性医師が診るといっても女性がサポートしてくれるなら恥ずかしくない…と思ったのも束の間。
看護師さん、男…
わたしはどちらかというとリベラルな方なので男性看護師さんとかイマドキでいいじゃん!といつもなら肯定するタイプである。いつもなら。が、なんで、この、タイミング。しかも若い。わたしより若い。
今だけは、今だけは、40代くらいのおばちゃん看護婦さんがいい!と叫びそうになった。
しかし、ここは看護師も仕事。わたしが心中でそんな叫びをしている中淡々とベッドメイキングをし、タオルをわたしの腰にかける。
わたしも恥ずかしさをおしころしてカーテンをしめ、タオルの下でスカートとストッキングをおろす。
そしてお尻(の穴)の部位のみカーテンに突き出す。
男性医師がカーテンをあけ、タオルの中からわたしのお尻の穴だけを淡々と診療する。
お尻の穴を見られている、と考えると頭が爆発しそうなので、わたしは標本、標本なのだ、と心の中で繰り返すことで平常心を保った。
「あーこれはかなりやっちゃってるねえ、治ったり悪化したりを繰り返してるみたい。中にイボがたくさんあるよ。」
その淡々さが、意識してるのはわたしだけ、という感じがして恥ずかしさが2倍なのである。
「あとこの外側のイボはね、気になるかもしれないけど完治した痔だから。あなたの痛みの原因は中の痔ね」
!?そーなの!?じゃあわたしが毎日イボに丹念にボラギノールを塗り込んでたのも意味がなかったのか。イボに尽くした時間とお金返して欲しいわ。
結局わたしの痔は軟膏タイプでは治らない、中の痔、らしくて、注入タイプの薬を処方された。
あとは、便秘を治すのが先決とのこで、整腸剤も。
そのおかげか、最近はだいぶ痛みも痒みもましになってきた。
※医者曰く痔の治療は、薬以上に便秘を治すことだそう。
警戒すべきは…
病院からの帰り道、無駄に恥ずかしがって疲れたので誰かに話を聞いて欲しくて彼氏に電話した(近すぎる存在ゆえにか彼に対してはわたしは恥ずかしさをなぜか持たない)。
笑われたが、話題を共有することで少し恥ずかしさも減った。その日の夕飯を一緒に食べることを約束して電話を切る。
30分後、待ち合わせ場所に現れた彼は開口1番こう言った。
「いやー職場で携帯見ながら笑いこらえてたら、どーしたんですかって事務職のお姉さんに聞かれたから、彼女が痔になったんですって言っちゃったよ〜〜」
わたしは漸く気がついた。男性医師より男性看護師より、デリカシーのない彼氏の方が一億倍警戒しなければならない、ということを、、